オーストリア・ウィーンを訪れたなら、絶対に外せないのが「ザッハトルテ」の食べ比べです! 世界で最も有名と言われるこのチョコレートケーキを求めて、本家「ホテル・ザッハー」と、宮廷御用達の「デメル」という2大名店を巡ってきました。

ザッハトルテ 16歳の見習いシェフが生んだ奇跡!「ザッハトルテ」の物語
こんにちは。みつです。
ウィーンのカフェ巡りで避けて通れないのが、チョコレートケーキの王様「ザッハトルテ」です。
ザッハトルテとは?
ザッハトルテは、チョコレートを練り込んだスポンジ生地の間にアプリコットジャムを塗り、表面全体をチョコレートフォンダン(砂糖を含んだチョコレート)でコーティングした、ウィーンの伝統的なお菓子です。
このザッハトルテの誕生には、まさに「ケーキ版のシンデレラ・ストーリー」があります。
1832年、オーストリアの首相メッテルニヒが来客用のデザートを用意するよう命じましたが、当日のシェフが体調を崩してしまいます。そこで、当時わずか16歳の見習いシェフだったフランツ・ザッハーが急遽大役を引き受けることになりました。そこで彼が考案したケーキが、後に世界中を虜にする「ザッハトルテ」となったのです。16歳の少年の機転が、歴史に残る奇跡を生んだのですね。
本家「ホテル・ザッハー」実食レポ!アプリコット香る元祖の味
まずは、本家本元であるホテル・ザッハーに併設された「カフェ・ザッハー(Café Sacher)」へ向かいました。
ホテル・ザッハー公共交通機関でのアクセス
最寄駅:地下鉄 U1・U2・U4線の「Karlsplatz(カールスプラッツ)駅」から徒歩すぐ。
場所:国立歌劇場のすぐ裏手にあり、観光の合間に立ち寄りやすい場所にあります。
ホテル・ザッハーのザッハトルテの味わい
私が訪れた日はあいにくの寒空でしたが、お店の前には長蛇の列!約1時間並んでようやく入店できました。


ホテル・ザッハーのザッハトルテは、アプリコットジャムの風味が強めで、チョコレートの層もく、甘さがしっかりとしています。上品さの中にどこか素朴さも残る味わいで、添えられた甘くない生クリームとの相性が抜群です。このクリームがないと完結しない、計算され尽くしたお味でした。
2024年現在の目安ですが、ザッハトルテ1切れは約9.90ユーロ(約1,600円〜1,800円前後)です。
店内は赤を基調とした非常に豪華な内装で、窓から見えるウィーンの街並みを眺めながら過ごす時間は、まさに至福のひとときでした。

宮廷御用達「デメル」の魅力!しっとりスポンジと日本でも楽しめるデメルのザッハトルテ
次に向かったのは、かつての王室御用達として知られる名店「デメル(DEMEL)」です。
デメルのザッハトルテの味わい
デメルのザッハトルテは、ホテル・ザッハーのものと比較すると、チョコレートのコーティングがし薄めで、中のスポンジ部分がしっとりふわふわとしています。アプリコットジャムの風味は控えめですが、その分チョコレート自体の味が引き立っているように感じました。


ホテル・ザッハーよりさらに洗練された、宮廷御用達らしい気品あるお味でした。
デメルのザッハトルテ、1切れは約9.00ユーロです。
デメルでは、ウィーンのケーキ、パンケーキのような「カイザーシュマーレン」も有名ですので、お腹に余裕があればぜひ試してみてください。
実はデメルは日本にも進出しており、「デメル・ジャパン」として三越や伊勢丹といった主要な百貨店に出店しています。日本国内でも本場ウィーンのレシピに基づいたザッハトルテを購入できます。日本では猫の舌をモチーフにしたチョコレートが有名ですね。
ザッハトルテの歴史 7年にわたる「元祖争い」の歴史
「ザッハー」と「デメル」は、どちらもザッハトルテの元祖を名乗っています。かつて、ホテル・ザッハーが経営難に陥った際、創業者の息子がデメルに秘伝のレシピを売却したことがきっかけで、どちらが“オリジナル”かを巡り、7年にもわたる裁判争いが繰り広げられたそうです。
最終的に、ホテル・ザッハーが「オリジナル・ザッハトルテ」の名称を使い、デメルは三角形のチョコプレートを乗せて「エドゥアルト・ザッハ・トルテ」と呼ぶことで決着しました。歴史を知って食べると、より味わい深く感じますね。

ちなみに、私はよりしっとりした食感のデメル派でした!
いかがでしたか?
ウィーンの誇る2大名店のザッハトルテ食べ比べは、単なるスイーツ巡り以上の、歴史と文化を肌で感じる体験でした。ホテル・ザッハーの重厚な伝統美と、デメルの優雅な気品のどちらが好みか、実際に自分の舌で確かめるのは最高の贅沢です。
どちらのお店も非常に混雑しますので、時間に余裕を持って、暖かい服装で並んでくださいね。公共交通機関を使えば、地下鉄一本で簡単にアクセスできるのは嬉しいポイントです。
他のカフェでもザッハトルテを提供しています。ウィーンの美しい街並みとともに、ぜひあなたも「自分史上最高のザッハトルテ」を見つけてみてください!

