奄美大島への旅で、絶対に外せないのが世界自然遺産にも登録された「金作原(きんさくばる)原生林」です。 太古の昔から続く亜熱帯の深い森は、一歩足を踏み入れるだけで都会の喧騒を忘れさせてくれる神秘的な空間でした。 体力に自信がない方でも楽しめる、ゆったりとした金作原トレッキングの魅力をたっぷりとお伝えします。

認定ガイド同行が必須!金作原原生林ツアーの予約は送迎付を
奄美大島の中央部に位置する金作原原生林は、島内でも特に貴重な生態系が残るエリアです。環境保護のため、現在は「奄美大島エコツアーガイド連絡協議会」に認定されたガイドさんの同行が義務付けられています。
このルールにより、ガイドさん一人につき客は8名まで、さらに1日の入林台数も厳しく制限されています。役所への事前申請が必要なため、奄美大島への旅行が決まったら、まずは早めにガイド付きツアーを予約することをお勧めします。
私は宿泊先である名瀬(なぜ)のホテルからの送迎付きツアーを申し込みました。
名瀬中心部からであれば、多くのツアー会社がホテルまで車で迎えに来てくれます。
冬の時期に訪れましたが、奄美大島は東京に比べて驚くほど暖かく過ごしやすい気温でした。ただ、冬の奄美大島は雨が多い時期でもあります。私の参加日も雨予報で心配でしたが、ガイドさんから「傘を差しながらでも歩ける平坦な道ですよ」と聞き、安心して参加することができました。
金作原はまるでジュラシックパーク!ヒカゲヘゴが茂る森
金作原原生林でのハイキングは約2時間。かつては車も通っていたという道はほぼ平坦で、本格的な登山というよりは、心地よい森林浴ハイキングといった趣です。
森に入ると、まず目に飛び込んでくるのが巨大なシダ植物、ヒカゲヘゴです。



空に向かって大きく葉を広げる姿は、まるで映画『ジュラシック・パーク』の世界そのもの!実際に30年ほど前には映画『ゴジラ』の撮影も行われた場所だとガイドさんが教えてくれました。ヒカゲヘゴの幹には、葉が落ちた跡が小判のような模様になって残っていて、自然が作る造形美に感動します。この模様は大島紬の図案になっているそうです。
足元に目を向ければ、アニメ『となりのトトロ』で傘として使われていた葉のモデル、クワズイモの巨大な葉も見つけることができました。

さらに、ガイドさんの解説を聞きながら歩くと、森の小さな変化に気づかされます。
植物の色彩が凄いです。宝石のような青い実をつけるルリミノキや、赤、白、黒といった色鮮やかな実をあちこちで発見しました。

歩いていると森の奥から「ウー、ウー」という低い鳴き声が聞こえてきます。動物かと思いましが、これはズアカアオバトという鳩の鳴き声だそうです。姿は見えませんでしたが、その不思議な響きが森の深さを感じさせてくれました。

金作原は季節によって顔が違います。6月は花が多く、7月がベストシーズンとのことですが、冬のしっとりとした空気感の中で巨木の板根や、木の上に着生するオオタニワタリを眺める時間は、最高に贅沢なリフレッシュタイムになりました。
次は違う季節に来てみたいな。
雨の日や冬の服装は?ハブ対策から足元までトレッキングの注意点まとめ
金作原原生林を楽しむために、いくつか知っておきたい注意点を整理しました。特に「ハブ対策」は、奄美の自然を楽しむ上での最低限の装備です。
奄美大島のハブは冬眠しません。また、鉛筆ほどの赤ちゃんハブも大人と同じ強い毒を持っていす。ハブは木に登り、上から落ちてくることもあるため、首元にタオルを巻くのがガイドさんお勧めの対策です。これにより、首筋からハブ(あるいはヒル)が服の中に侵入するのを防げます。服装は、冬以外なら虫除けのために長袖・長ズボンが基本です。
道は整備されていますが、木々が日差しを遮るため、常に湿っていて滑りやすい場所があります。汚れても良い、履き慣れたスニーカーがベストです。
多少の雨であればツアーは催行されます。舗装はされていませんが平坦な道なので、合羽がなくても傘を差して歩けます。私は小雨が降ったり止んだりだったので傘を使いましたが、両手を空けたい方は合羽を用意すると良いでしょう。
冬は虫が少なく、気温がちょうど良く、非常に気持ちの良いトレッキングになりました。

ガイドさんが小さなシリケンイモリを見つけてくれたりと、プロと一緒だからこそ気づける発見が盛りだくさんの2時間でした。

金作原原生林でのトレッキングは、自然の力強いエネルギーを全身で浴びることができる、奄美大島観光のハイライトと言える体験でした。
ガイドさんが丁寧に植物や生き物の名前、歴史を教えてくれるので、ただ歩くだけでは見逃してしまうような小さな奇跡にも出会うことができます。
体力的な不安がある女性や一人旅の方でも、送迎付きの認定ガイドツアーを利用すれば、安全にそして深くこの森を楽しむことが可能です。 皆さんも奄美大島を訪れる際は、ぜひこの太古の森を訪れて、自分だけの神秘的な思い出を作ってみてくださいね。


