こんにちは、アラフィフみつです。
「幸せの国」として知られるブータン。日本からの直行便はなく、入国にはビザや観光税が必要ですが、それでも一度は訪れてみたい魅力あふれる国です。今回は、そのブータンの古都 プナカ にあるプナカゾンをご紹介します!
ブータンのゾンとは何? ブータン独自の建築文化
ブータンにはいくつもの「ゾン」があります。
ここで改めて「ゾン」という建物って何?お寺?役所?
ゾン(Dzong)はブータン独自の建築様式で、要塞(ようさい:敵の攻撃から身を守るために作られた強固な建物)と宗教施設(お寺や僧院)と行政を執り行うの機能(役所)をあわせ持つ特別な建物です。
外敵からの防衛のために建てられた堅固な造りが特徴で、分厚い白壁や小さな窓、赤や金色で彩られた屋根など、その姿はどこか荘厳で神聖な雰囲気を放っています。
プナカゾンも例外ではなく、立派な木彫りの装飾や壁画が随所に施され、宗教儀式の場、行政の執務室、王族の式典会場として現在も活用されています。
2011年には現国王のジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王が、このプナカゾンで結婚式を挙げたことでも有名で、その荘厳な建物はブータン国民の誇りともいえる存在です。
プナカゾンはブータンで2番目に古く2番目に大きなゾン
プナカゾンは、ブータンを旅するならぜひ訪れたい場所のひとつです。
プナカゾンは ブータンで2番目に古く、2番目に大きいゾン で、約300年の歴史を誇ります。そしてプナカゾンはブータンで1番美しいゾンと言われています。
二つの川(ポチュ川とモチュ川)の合流点に建ち、川の流れと雄大な建物が織りなす景色はまるで絵葉書のようです。
ちょうど私が訪れた5月末は川沿いに咲くジャカランダの紫の花が、ゾンの白壁と赤い屋根を引き立て、思わず写真を撮りたくなる絶景が広がっていました。
プナカゾンはもともと外敵から国を守るための要塞として築かれましたが、今では行政と宗教の中心として重要な役割を果たしており、ブータンの人々にとって精神的支柱のような存在です。
プナカゾンの見どころ 大講堂キンレイ
プナカゾンの内部に足を踏み入れると、真っ先に目を奪われるのが キンレイ と呼ばれる大講堂です。
プナカゾンもそうですが、ゾンの内部は写真撮影が禁止なので写真は無いですが、正面には堂々とした三体の仏像が安置されています。
中央にお釈迦様、向かって左にシャブドゥン、右にグル・リンポチェ(この二人はブータン仏教には欠かせない高僧です)が鎮座していて、圧倒的な存在感で訪れる者を静かに見つめています。
講堂内の壁には色鮮やかな仏画が描かれ、信仰と歴史がひとつになった空間であることを感じました。僧侶たちの読経の声が響く中、私も五体投地(ごたいとうち)のお祈りをガイドさんに教わり捧げました。
五体投地とは、両手を合唱し、額、喉、胸に当ててから、しゃがんで額を地面につけます。これを数回繰り返すそうです。3回が一般的だとガイドさんから聞いたので3回繰り返しました。
五体投地を繰り返しながらゾンへ向かう熱心な信者もいます。
私もティンプーからプナカへ向かう山道で五体投地をしながらプナカへ向かっている人を見ました。五体投地でゾンまで向かうなんて…何日もかかるでしょうし、足腰が心配です。そんな彼の思いが通じて欲しいと心底思いました。
プナカゾンの神聖な空間「マチェ・ラカン」
プナカゾンの中でも特別な空間が「マチェ・ラカン」です。ここには、ブータン国家の礎を築いた シャブドゥン・ガワン・ナムゲル のご遺体(ミイラ)が安置されています。
シャブドゥンは前途した仏像になっている高僧です。17世紀に政治と宗教の二元統治でブータンを建国しました。シャブドゥン今もなおブータン国民に敬われています。
驚いたのは、今でも「シャブドゥンは毎日ご飯を食べている」と信じられ、毎日僧侶によって供物が捧げられています。
この聖なる空間プナカゾンの「マチェ・ラカン」は、国王、大僧正、そしてご飯係の僧侶以外は内部に入ることは許されません。私は外からそっと手を合わせ、ブータンという国の歴史と精神文化の奥深さを改めて感じました。
プナカゾンを訪れることで、ただ建物を見学するだけでなく、ブータンという国そのものに触れたような、そんな特別な体験ができました。
私をアテンドしてくれたガイドさんはとても猫好きで、プナカゾンで猫ちゃんを見つけてなでなでしてました。
そして、プナカゾンの入り口の橋では犬がお昼寝していました。
ブータンの犬はあちこちで無防備にお昼寝しています。
ブータンの古都プナカにある、歴史的建造物のプナカゾンはブータン建国の証ですね。