ブータン・プナカの子宝寺院「チミラカン」訪問記 のどかな風景と不思議な信仰にふれて

こんにちは、アラフィフみつです。今回は、プナカで訪れたブータンならではのユニークな寺院、チミラカンについてご紹介します。ブータン旅行でぜひ立ち寄ってほしいスポットのひとつです。

チミラカンへの道のり 田植えの風景に癒されて

チミラカン寺院は、プナカの街から少し離れた場所にあります。
のどかな田園風景の中を車で進んでいきます。私が訪れた5月末はちょうど田植えの季節で、農家の方々が田んぼに入り作業する様子が見られました。手植えの田植え、どこか懐かしさを感じる光景です。

ブータン・プナカのチミラカンへ行く途中の田植え

ブータンの素朴で穏やかな暮らしに触れたひとときでした。歩く道中、ガイドさんから「このお米は主に赤米で、ブータン料理によく使われますよ」といったお話を聞きました。

プナカ  チミラカン寺院と子宝祈願のユニークな風習

駐車場からチミラカンまでは15分くらいでしょうか、坂道を少し歩きます。
道の途中にはサボテンの花が咲いていました。

ブータン・プナカのチミラカンへ行く途中のサボテンの花
寺院の入り口には、大きなマニ車(お経が入った筒状の祈りの道具)が設置されていて、訪れる人が手で回して祈りを捧げます。マニ車の音が響くのもまた心地よく、神聖な雰囲気を感じます。

ブータン・プナカのチミラカンの入り口のマニ車

チミラカン寺院は、子宝祈願の寺院として国内外から多くの人が訪れることで有名です。この寺院を建てたのは「ディブクン・ドゥクパ・キンレイ」という僧侶です。
この方は型破りな高僧で、弓矢を射って、当たった先の女性と交わり、交わりを通じて仏教を広めたといわれています。そのため、寺院には男性器を象った木の棒(ポー)が置かれ、参拝者はこれで頭をコツンと軽く叩かれるという珍しい儀式を受けます。

この高僧はいつも弓矢を持って犬と行動しており、その犬が亡くなったという意味がお寺の「チミ」にあたります。チ=犬 ミ=亡くなる ラカン=寺 です。

ブータン・プナカのチミラカンの外観

ブータン・プナカのチミラカンの外観、ブータンの民族衣装キラを着たガイドさんと

ブータン・プナカのチミラカンのチケット

チミラカンでガイドさんとお祈りし、儀式を体験しました。

このお寺で子宝を願った女性の約90%が授かった、という言い伝えもあり、寺院内には出産報告の写真がずらり。たくさんの幸せそうな家族の写真に、思わず見入ってしまいました。

ブータン独自の文化 魔除けの「ポー」とその意味

チミラカン寺院を訪れると、ブータンの家々の壁や土産物屋で見かける「ポー」(男性器の絵や木彫り)の存在も、より深く理解できる気がします。ブータンではこのポーが魔除けの意味を持ち、悪霊や邪気を追い払うとされています。

お土産屋さんには木彫りのポーのキーホルダーや置物がたくさん並び、最初はびっくりしますが、ブータンではとてもポジティブで大切なシンボル。購入はしませんでしたが、ブータンの思い出ですね。

ブータンのポー(男性器の形の魔よけ)のお土産

ブータンのポー(男性器の形の魔よけ)のお土産

チミラカンは、ただの子宝祈願の寺院というだけでなく、ブータンの文化や人々の信仰心を肌で感じられる場所でした。ユーモラスでどこか温かい信仰のかたちに、ブータンの「幸せの国」といわれる所以が見えた気がします。

これからプナカを訪れる方は、ぜひ田園風景を楽しみながらチミラカン寺院へ足を運び、ブータン独自の信仰文化に触れてみてください。魔よけのお土産も是非購入してみてください。